第6話 エルヴィスの素質を見抜いたフィリップス

時間とエネルギーを費やし多くの努力をしたにもかかわらず、エルビスは複雑なスロー・バラードをマスターする事が出来なかった。フィリップスは大変がっかりした。そして、元々歌の上手な若者をののしってしまった。

数時間後、フィリップスは最初からうまく歌えるものはどこにもいないことに気づいた。そこでどんな歌が唄えるかエルヴィスに聞いた。プレスリーはすぐに知っている歌を唄い始めた。彼の歌は荒削りではあるが、エルヴィスの声と音に合わせて踊る振る舞いに彼の可能性を感じた。エルヴィスの素質を見抜いたフィリップスは、当時ダグ・ポインデックススター&スターライト・ラングラーズというカントリー&ウェスタン・バンドで活躍していた“スコッティー・ムーア”に連絡をした。



フィリップスは、ムーアが若いエルヴィスに彼の良いところをそのままの状態で補完してくれることを承知していたからだ。そして、スコッティーのエレキ・ギターサウンドと華やかで元気溢れる演奏スタイルに興味があった。ムーアとフィリップスは、新しいポピュラー・ミュージックの開発について長時間にわたって会話をした。カントリー・ブルース、ゴスペルそして白人と黒人両方のポピュラー・ミュージックの要素を合体させた音楽について語り合った。フィリップスは、エルヴィスのユニークな歌い方がニュー・ミュージックにぴったりだと考えた。