第22話  RCAビクターと契約

最初に契約金を提示したのはコロンビアだった。同社のディレクター、ミッチ・ミラーはエルヴィスとの契約金15000ドルを提示した。 契約するかしないかはパーカー次第だった。

たとえフィリップスが契約の条件として最低20000ドルを望んでいるとしても、サム・フィリップスは金が必要なのは分かっている。しかしながら、パーカーは鋭い交渉者であって、より多くの金がどこか他で調達出来るかも知れないと考えていた。

パーカーも、ミッチ・ミラーがロックンロール音楽に対してあまり乗り気でないことも分かった。そして、エルヴィスが必ずしも、コロンビアでいい待遇を受けて指示されるとは限らないだろうと思った。

それでも、パーカーは20000ドルを要求した。思った通りミラーはすぐに拒絶しました。そして、エルヴィスにはそんなに多くのお金の価値がなかったと述べた。
次に、アトランティックは、25000ドルの契約金を提示した。その金額は正当なものであった。

しかし、エルヴィスはこれから大スターになる歌手である。比較的小さな独立系レーベルでプレスリーに歌わせることが少し気にかかった。
パーカーは、アトランティックが25000ドルをエルヴィスに費やすとすれば、会社の運営資金が足りなくなるだろうと感じた。そして、きちんと彼のレコードを売り出すための充分な資金もないだろうと判断した。

一方、RCAビクターは、ショールズが遂に、プレスリーに賭けることを会社に納得させた。 ショールズは、アーティストとレパートリーを担当する役員として基本的に彼の全ての将来を賭けるのに十分な可能性をエルビスは持っていると信じた。
もし、プレスリーが失敗したならば、ショールズは確実に音楽ビジネスから追放されるだろう。

RCAはサン・レコードから契約を買い取って、プレスリーのサン・レコードでの権利すべてを得るために25000ドルを提示した(フィリップスは、サンがすでにプレスしたプレスリーのレコードの残りのコピーを売り払らうことも認めた)。

さらに、もう5000ドルはエルヴィス自身に手付け金として前払いすると言うものだった。エルヴィスは自分の母 (運転はしない) にピンクのキャデラックを買うためにその中から一部の金を使ったのだった。

写真;エルヴィスが母グラディスに買ったと言われる車「ピンク・キャデラック」